君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 あまり長々と話していたくないな、と思っていると、

「そう言えば、僕、ずっと気になっていることがあって、奥様にお会いできたのをこれ幸いに、ぜひ訊きたかったんですけど」
「はぁ、なんでしょう……?」

 私が警戒感をにじませて応じると、院生はニヤリと嫌な笑みを浮かべた。

「あなたと先生って、本当に恋愛結婚ですか」
「え?」
「みーんな噂しているんですよ、本当は契約結婚なんじゃないかって。だってあの冷徹教授が妻だなんて。しかもあなたみたいな小娘を」
「……」
「あの手の男は一生独り身で寂しく年老いて頑固な老害にでもなるのが成れの果てでしょ?」