君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「まだ大学も出ていないんだろう」
「うちの特別コースに通っているらしいぞ」
「特別コース? 正規じゃないのか?」
「ああ、なんでも清掃員だったらしいぞ」
「ひえ。なんでまたそんなのを」

 同じ大学で、恐らく同じ教授陣の人たちなのだろう。

 学問の世界は意外に厳しく、どの分野も熾烈なライバル争いがあるとは聞いていたけれども、こういう嫉妬じみた揶揄は聞きたくない。

 特に、私のせいで聡一朗さんが悪く言われるのは堪らなかった。

 居た堪れなくなって、私はその場から離れた。