君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 今になってシャンパンが効いてきたためか、拍手が割れんばかりに耳に響いて頭がぼーっとなったせいか――なんだか、壇上に立っている聡一朗さんがすごく遠く感じた。

『聡一朗先生は世界を舞台にこれからますますのご活躍を――』

 進行役の人の言葉が、ぐわんぐわんと頭に響く。

 そうだ。聡一朗さんは世界で活躍する人だ。
 私はそんな聡一朗さんを支える立派な妻にならないと。

 と、手にしていたシャンパングラスをぐいとあおる。

 ……でも、なんの取り柄もない、大学すら通えていない私が、どうすれば聡一朗さんに見合う女性になれるだろうか……。

 意識がふわふわしてきて、なんだか堪らなく心許ない気持ちになった。
 そうして無意識にシャンパングラスに口を付ける。