君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 そのくだけた聡一朗さんの様子に女性も笑顔になって、「容姿だけでなく中身も素敵な奥様なんですね」と褒めてくださる。

 対して紗英子さんは少し面白くなさそうな表情になったけれども、気を取り直して、再び割り込んでくる。

「ええ、奥様のその真面目な性格は普段にも現れていて、格好もいかにも真面目くさくて控えめなんですよ。でも、今日はここぞとばかりに着飾っていらして、変貌ぶりに目を疑いましたわ。たいそうお金をかけさせてもらって準備してきたんですのね」

 さすがに露骨な嫌味で、私はむっとした。

 でも、たしかに今日の私の姿は、お金をかけたからこそできたものだ。
 すべては聡一朗さんのおかげ。
 こうして周りから誉めそやされるのは、私の力からでもなんでもなく、聡一朗さんの力あってのことだ……。

 そう思って、また返答に困っていると、ここでも助け舟を出してくれたのは聡一朗さんだった。