君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 ひっきりなしに、たくさんの方が話し掛けてきてくださった。

 いざ話してみると、みなさん気さくで良い方ばかりだった。
 私の若さや容姿を口々に褒めてくださったけれども、お世辞にうまく返す会話手段も勉強してきたので、それほど苦労はしなかった。

 でも、やっぱり疲れてくる。
 話し掛けてくださる方はほとんど年上で、貫禄があるんだもの。

「先生、本日はおめでとうございます」

 そこに、聞き慣れた声がした。
 若い女性のその声は、紗英子さんだった。

 いつも刺々しい態度をとられて緊張させられるけれども、初対面ばかりで気疲れしてしまった今はほっとしてしまった。