君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

 特に私に注がれているように感じるのは、恐らく気のせいではないだろう。
 初めて公の場に現れた聡一朗さんの妻がどんな人物なのか検分したくて、みんな堪らないらしい。

 脚が震えそうになるのを、必死に耐える。
 圧倒されてはだめだ。
 こういう時だからこそ、堂々としていないと――と私は背中に力を入れる。

 パーティは立食形式で、オードブルやドリンクが乗ったテーブルを自由に行き来できるスタイルだった。

 あと小一時間で祝賀スピーチが始まる。
 その前に聡一朗さんに付き添って、いろいろな人と挨拶や会話を交わして親睦を深める。