君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「それは知っていたけれど……ちょっと想像以上だった」
「想像、以上……?」

 なにがだろう? 少し派手にし過ぎた……?
 もう今からではドレスを着替える時間もない。

 どうしよう、と眉根を寄せた表情で見上げてしまうと、なぜだか聡一朗さんも戸惑うように眉根を寄せて私から視線を外す。

「ごめんなさい、私、少し張り切り過ぎてしましました。今日は大切な日だから、あなたの妻として、子どもって見られたくなくて」
「そうじゃない。心配なだけだ、他の男が寄ってこないか――」

 不意に、背中に回る手に力が入ったかと思うと、抱き寄せられた。

「あの、聡一朗さん――」

 言葉をこぼして、すぐに息を止める。
 私が声を発したのと同時に、聡一朗さんが耳元でなにか言ったような気がしたから。