君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「なんて年寄りくさい心配だったな。すごく素敵だよ」

 くすりと微笑んで、聡一朗さんはどこか熱を帯びた声で囁くように続ける。

「メイクも別人だな。一瞬君だと解からなかった」
「密かに練習してたんですよ。こっそり講座に通ったり、自分で勉強したり」

 はにかみながら答える私は、どうしても視線のやり場に困ってしまう。

 聡一朗さんの顔がすごく近いからだけれど……それ以上に、眼差しが鋭くて――。

 それは一心に私の唇に注がれているような気がする。
 ルージュ、少し、赤すぎた……?
 でも窘めるという冷たい視線と言うより、ドキドキさせられるくらいに熱を帯びていて……。