君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「悪いが、ちょっと気分が悪いから帰る。けど勘違いするなよ、俺はおまえのこと、けっこう好いているんだからな」

 気持ち悪いこと言うな――そう憎まれ口をたたく前に、凌は店を出て行った。

 ほどなくして注文した料理が運ばれてきた。

 アメリカでは絶対にありつけないような鮮度抜群の魚貝を使った創作和食なのに、あいつも気まぐれが過ぎる。

 ……まぁ、悪いのは恐らく俺の方だろうが。

 ここはなかなか予約が取れない人気のダイニングバーだった。

 あいつに言いたい放題言われてこちらも気分が悪い。
 せっかくだから、少し独り酒でも楽しんで帰ろう――とメニューを開いたその時、スマホが鳴った。