君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜

「この結婚はそんなものじゃない。おまえにだけは言っておくが、契約結婚というやつだ」
「は?」

 俺は美良の事情をかいつまんで話し、この結婚が互いの利害のためだけのものだと説明した。

「……おまえ、見てくれに反してちょっとヤバい奴だとは思っていたが、実はそうとうヤバい奴だったんだな」

 説明を聞いて早々、凌はおよそ大学教授とは思えない語彙力を発揮した。

「なんとでも言え。もちろん互いに了承の上でのことだ。美良を騙したりはしていない」
「そうじゃなきゃこのウィスキーをおまえにひっかけて絶交宣言していたところだよ」

 と、さすがの凌も眉をひそめてウィスキーに何度も口を付けている。

 短く溜息をつくと、俺はなじるように言った。