君という鍵を得て、世界はふたたび色づきはじめる〜冷淡なエリート教授は契約妻への熱愛を抑えられない〜




私の名前は竹咲美良。二十歳になったばかりだ。

今は清掃業者に登録して、派遣された場所で働いている。

今日もキャンパスを行き交う学生たちの笑顔が眩しい。

そう感じるのは、ちょっぴり羨ましいから。

両親は私が高校生の時に不慮の事故で亡くなった。
私が十八歳になって間もない時だった。

ほんの数か月前には「今日から成人だね」「振袖姿を見るのが楽しみ」なんて話をしていたのが、遠い昔のことのように感じた。

その日以来、私の人生は変わってしまった。

大学進学を目指して受験勉強をしていたけれども、断念した。

すっかり意気消沈してしまって、頑張って勉強しようという気力が起きなかった。

友達や周りは浪人と言う手もあると励ましてくれたけれど、夢に向かって頑張ろうという意欲がこの先戻るとも思えなかったし、両親が残してくれた保険金等の貴重な財産を無駄なことに使うような気がして、働くことを選んだのだ。