運命の人と笑える日々を

「は、はは……はぁ…さ、むいなぁ……」


ただでさえ寒いのに、冷たい風が追い打ちをかけるように容赦なく私を襲う。


「あ、雪……」


白くふわふわした雪が、顔に着地する。

そして静かに消えていく。

私はいつの間にか目を瞑っていた。

雪が顔に落ちてきては消えていく。

私も、この雪のように消えたい。

そう、思った。

しばらく目を瞑って、じっと動かずに耳をすました。

誰か来た時に、早く気付けるように。

私ひとりの空間を邪魔されないように。

誰にも、会いたくなかった。

誰も、見たくなかった。

誰にも、こんな惨めな姿を見られたくなかった。

とにかく、ひとりでいたかった。


「これから、どうするかなぁ……」


そう呟きながら目を開ける。

さっきより白が増えた視界に、目を細める。

冷たい風がまた私を襲う。

寒いなぁ……。

私、このまま死ぬのかな?

なんて考えてた時だった。