運命の人と笑える日々を






私……なんでこんなところにいるんだろう……。

音昏くんにつれてこられたのはマンションの一室。

そしてリビングっぽい部屋のソファに座らせられたのがわずか数分前。

私をここにつれてきた音昏くんはキッチンで楽しそうに鼻歌を歌っている。

な、なんでそんなに楽しそうなの……。

これからどうしよう、という思いが頭の中でぐるぐるまわる。


「えいっ」

「っ?!」


私はびくっと肩を揺らす。


「え、な、え?」


頬が突然ひんやりしたから驚いて顔を上げた。


「びっくりした? ふふっ」


音昏くんは人を驚かすのが趣味なのかな……?


「はいっどーぞ」


そう言って音昏くんが渡してきたのはジュースの缶だった。

音昏くんは私の隣に座りながら自分のジュースの缶を開けた。

プシュッといい音が鳴る。