「ねえ、詩月(しづき)。なんでテストの結果が一位じゃないの? これ以上お母さんを失望させないで」


母の言葉は私に深く、重く、突き刺さる。


「あなたはお母さんの言う通りにすればいいの。ただ、勉強を頑張るのよ。そうしたら次回はきっといい点数がとれるわ。周りの子たちは遊んでいるけれど、あなたは頑張るの。そうすれば後でとてもいい結果がでる。周りの子と違ってね。だから──」


”勉強を頑張るのよ。これは、あなたのためでもあるの”


それが母の口癖だった。

”私のため”そう言っているけれど、結局はお母さん自身が通うことができなかった有名な大学に私を通わせるため。

娘である私は、昔から勉強を強要された。

ただ、ひたすらに机と向かい合うだけ。

だから同年代の子と遊ぶことがなく、私はいつもひとりぼっちだった。

成績が悪いとヒステリックに叫ぶお母さん。

怒られるだけならマシな方。

酷い時は私の分のご飯が一週間なかったり、クローゼットに閉じ込められたりした。