私が出演するショーは日の落ちた夜に開催されるのが通例となっており、ステージは炎の柱が燃え上がって私を照らし出している。
 その自然の光も相まって幻想的で美しい舞を皆に披露することができる。
 大きな声が飛び交って応援するようなそんな雰囲気ではなく、どちらかといえば神聖で厳かな雰囲気が漂うショーになっていた。

 私は大きく腕を伸ばしてそしてくるりと身を翻して回る。
 飛び跳ねた足はピンと伸びており、着地した時には一切の音が出ない。
 そんな私の舞は『オレアの妖精の舞』と言われており、人々から愛されていると聞いている。

 実際に舞を舞いながら見える皆の顔は、ぼうっと恍惚な表情を浮かべている顔、祈るように見ている顔、そして憧れの気持ちを持ったような子供の顔。
 たくさんの顔があって、私は皆に今年も幸せが訪れますようにという気持ちで舞を舞う。
 少し離れたところの木の下でリオネル様は私を見ていた。

 あ、目があった──

 優しい微笑みをした後でゆっくりと頷く彼の姿を見て、彼に見守られている、そんな安心感を覚えた。