―家での生活―
「•••ただいま。」
私は小さな声でそう呟いた。
家に私の居場所は無い。
私のお母さんはバツイチで、お母さんが不倫したことが原因で前のお父さんとは離婚した。新しいお父さんは私に無関心な人だった。お母さんは義理の妹の星那(せな)を可愛がった。星那は大変ずる賢い女の子だ。私に虐められたとお母さんに嘘をつき、お母さんに私を殴らせた。
あぁ、苦しい。
いっそ死んだ方が楽になるんじゃないか。
と思った時もあった。
でも、そんな時に頭に浮かんできたのが前のお父さんの言葉だった。
「生きることは素晴らしき事なんだよ。この世に生まれてきたことを感謝して、命を粗末にしないように生きような。」前のお父さんは優しかった。
あぁ、今思えばあの時お母さんを振り切ってでもお父さんの方へ行けばよかった。
まぁ、今更こんなこと思っても仕方の無いことよね。
星那は絶対、自分の手を汚さない。
人に命令して、私を虐める。
誰もこんなこと思わないだろう。
本当は星那が愛美のことをいじめてる
•••なんて。
「愛美!!」
お母さんの怒鳴り声が聞こえた。
「あんた帰りが遅いのよ!!今日の分のお金は?!早く貸しなさい!」
お母さんは私のバイトの給料の半分以上をせなのことに費やす。
星那が来ている服はいつだってブランドの服なのに、私が来ている服はいつも星那が着れなくなった服を縫ったりしたボロボロの服。
この服が原因で学校で虐められたこともあった。今思えば懐かしい事だが...。
私は...こいつら、星那達のせいで、笑えなくなった...。
いつまで、こんな生活が続くんだろう...。