あたしは大馬鹿なことに、どうやら風邪を引いてしまって、3日も布団の中だ。

おかげで“先生”の元にはいけていない。


 あと1ヶ月もすれば大事な期末試験で、時間がたりないくらいのあたしに3日間というのはものすごく長い時間。


明日あたりにはなんとか学校にだけでも行きたいな。


布団を肩まですっぽりかぶせて、見慣れた天井を見ながらこの季節外れの風邪を恨んだ。


 凜子さんのところで外にも関わらず眠ってしまったからなのか、あの時確かに起きたら背筋がゾクリとした。

そして頭があつくて足もふらついてしまっていて。



あ…、そうだ…あのあと…。



 次第に記憶がよみがえってきた。


おぶられたこと。

広い背中と甘い声。



『ちゃんと考える』

赤くなった耳をみてかわいいって思っちゃったんだ。


急に恥ずかしくなってごそごそと布団にもぐりこんだ。