自ら離れた。



 怜もサトも本当に大切だ。

だからこそ二人には幸せになってほしい。



 同時に、そんな二人を見るのも辛くて。

そうして逃げるように不登校になり、このザマだ。




 ずっと目をそらしてきた現実が、一気にやってきたのだろうか。


何度も吐いたため息が、より一層自分の不甲斐なさを引き立てる。


 チビ助を心配する傍ら、ちらちらとサトの寂しそうな顔が消えては浮かぶ。

何気なく歩いて抜けた商店街。


 そういえば、チビ助の家はこの辺だった気がする。


 一度来ただけの道を思い出しながらブラブラ歩いた。

どうも似たようなマンションやら塀が並ぶもんだから、道に迷い始めたことはうすうす感じてた。


「やべーな…」

 しぶしぶ来た道を戻ろうと振り返ったときだ。


ドン!と腹辺りに激しく何かがぶつかった。


「…ってぇ」

「…ったぁ~い」


 腹をさすると、痛みで閉じていた瞳を片方だけ開いた。

チビ助と同じ制服を着たポニーテールの女の子だ。



「ったく、なにやってんだよ、キョン」