シュンと肩を落とし、諦めようと振り返ろうとしたときだった。


視界の端っこでカラン、とベルの音を立てて両手に荷物を持った男の人が店に入っていく。



 あたしは、慌ててもう一度窓ガラスにへばりついてしまった。

それは、もう、明るすぎる外からの目の眩みに負けないように、じいっと店内をよく見渡して。



 何度も目をこすって確認した。

瞬きを何度もしたけれど、やっぱり間違いではなくて。





 荷物をゆっくりカウンターに落とし、苦笑いをしたその男の人は────




紛れもない、あの日、見つけた彼だった。




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