「一つ」
そういってカウンターの下から取り出したのは、小さな透明のビニール袋。
置かれたそれをみると、小さな紙切れをつけた三つの褐色の甘い香り。
これは……フォーチュンクッキー。
「オレの向こうの住所と電話番号、それにメールアドレスセット」
律儀に枚数が揃っており、すこし崩れた太一さんの独特の文字も顔を覗かせている。
あたしは現実かどうかもわからなかったけど、クスリと笑ってしまった。
「二つ目は、ホワイトデー」
そういって出してきたのは、またもや三つのフォーチュンクッキー。
だけどさっきより失敗したのか、端っこがかすかに黒ずんでいる。
不器用な、太一さんらしい。
「そんで……最後」
あれ?クッキーじゃないの?
そんなあたしの想いを見透かしたのか、ふっと頬を緩めた太一さんは、カウンターを回り、座っているあたしの隣に立ちはだかる。
微かに聞こえる息遣いが、よりリアルに感じられる。
本当に、太一さんが帰ってきたんだ。
つま先から睫、指の先まで───嬉しさで痺れるようだ。
そういってカウンターの下から取り出したのは、小さな透明のビニール袋。
置かれたそれをみると、小さな紙切れをつけた三つの褐色の甘い香り。
これは……フォーチュンクッキー。
「オレの向こうの住所と電話番号、それにメールアドレスセット」
律儀に枚数が揃っており、すこし崩れた太一さんの独特の文字も顔を覗かせている。
あたしは現実かどうかもわからなかったけど、クスリと笑ってしまった。
「二つ目は、ホワイトデー」
そういって出してきたのは、またもや三つのフォーチュンクッキー。
だけどさっきより失敗したのか、端っこがかすかに黒ずんでいる。
不器用な、太一さんらしい。
「そんで……最後」
あれ?クッキーじゃないの?
そんなあたしの想いを見透かしたのか、ふっと頬を緩めた太一さんは、カウンターを回り、座っているあたしの隣に立ちはだかる。
微かに聞こえる息遣いが、よりリアルに感じられる。
本当に、太一さんが帰ってきたんだ。
つま先から睫、指の先まで───嬉しさで痺れるようだ。


