あたしの問題と杏ちゃんの問題は、どこかで繋がっているのかもしれない。

だけど答えを出すのはそれぞれだから、あたしたちが下したものが全ての結論なワケじゃないはず。


「…み、らい……」

 すこし強くなってしまった語尾に、杏ちゃんは怯んでしまったみたい。


 あたしは太一さんに背中を押してもらったんだから、それでもやめるわけにはいかない。


 ゴクンとつばを飲み込んで一呼吸を置いてから、もう一度ゆっくり口を開いた。


「杏ちゃんだって一生懸命悩んで勉強して、あの女子校受けることを決めたでしょう?
あたしもたくさん悩んで決めるよ」


 顔を覗き込むと、一層涙の嵩を増やした杏ちゃん。

震える唇は、小さく嗚咽と共に漏らした。


「……っく…、未来……ゴメンね…」


 杏ちゃんの気持ちは、痛いくらい嬉しいんだ。

それは、本当だもん。


「謝るのは、あたしだよ……」


 いつだって背中を押してくれたのは杏ちゃんだ。

落ち込んだとき、一番に励ましてくれるのだって杏ちゃん。


そんな杏ちゃんの想いに、あたしは気づいてあげられなくて。


 ……ああ。

杏ちゃんが泣くと、あたしまで涙が止まらない。