フォーチュンクッキー

「あんなに喜んでた未来を手放そうとする太一さんが…っ!それに気づき始めたヒナも苛立ってきて、わたしの言葉なんて聴いてくれない!」

 つう…、と一筋の涙が、杏ちゃんの頬を滑り落ちた。

「わたしたちはなんにもできない中学生。
だけど、あとすこしで働こうと思えば働けるんだよっ?みんなには甘い、っていわれるかもしれない。だからって離れるなんておかしいよっ!!」


 ぽろぽろと杏ちゃんは涙した。

それがやけに嬉しくなってしまうのは、あたしのココロがおかしいのかな?


 たくさんの人が、知らないところで思い悩んでる。

あたしばっかり一人ぼっちと泣き叫んでいた自分が、すこし恥ずかしい。



「杏ちゃん……ごめんね」


「なん、で…未来が謝るの……?」


 ぐすぐすと鼻を鳴らす杏ちゃんは、全然お姉さんなんかじゃない。


「あと……ありがとう…」


 ナニガ、とかじゃない。

あたしと友達でいてくれて、ありがとう。


 それしか言い表わせれない。


「意味わかんないよ、未来ぃ…っ」

「だって、杏ちゃん……雛太のことすきなのに…あたしのことばっかり考えてる!」


 どうしてかつられて目頭が熱くなってきた。


 寒さなんか関係ない。

杏ちゃんを、もっと大切にできなかった自分がすごく悔しい。


「それは未来が……っ」

「あたしは、あたしが決めるの!
……太一さんは、離れててもスキって言ってくれたの。きっと、距離なんか関係ないって──思ってくれてる…」