どれが正しくて、どれが間違いかなんて、あたしにはまだわからない。 多分、太一さんにだって。 すぐに消えてしまいそうな『嘘』だって、信じていればいつか『本当』になるかもしれない。 今はまだ、その『嘘』を守りきれるほど強くはないけれど……。 太一さんが一生懸命届けてくれた『嘘』を、あたしは大切にしたい。 涙でぼやける視界は、まだ灰色ばかり。 でも、ほんのり紅みが差した気がした―……。 .