太一さんだけじゃなく、優しいマスターにだって教えてもらったりした。
競馬のおじさんも、あたしが来ることに嫌な顔一つせず、むしろ太一さんをからかって笑っていた。
……―また、明日になったら。
確かに、勉強はイイコトばかりじゃない。
けど、わずかな想いを拾ってくれた太一さんたちに出会えたことは、とても幸せなことのように感じる。
そんな太一さんを見かけたのは、もう今から4年ほど前になってしまうんだ。
あの時は、店内で温かい湯気に囲まれた太一さんの笑顔が強くこびりついていた。
それだけにしか思っていなかった。
なのに今は、もっといろんな表情を見たいって強く思う。
欲張りになるあたしも、スキになってほしい。
太一さんは優しく受け止めてくれるけど、負担になっていないか……時々不安になる。
駆け巡る思い出にふけっていたら、あっという間に凛子さんがいる白い建物に到着していた。
前に来たのは、ちょうど夏が終わるころで修学旅行前にチラリと顔を出した以来。
旅行から帰ってくるなり、お父さんが大怪我をした。
だからお父さんですら久しぶりだった。
新緑に囲まれていた病院の庭園も、今は茶色い幹の肌がむき出しで、心もとない枯葉は僅かな光を頼りにしているようだ。
うねる道の奥に見える、病院の入り口。
だけど、いつもよりやけに騒がしい。
お父さんと顔を見合わせて、あたしたちはゆっくりそこへ向かった。
「落ち着いてください!」
「いやぁぁあ、なんでェ……明宏さんっ!!」
競馬のおじさんも、あたしが来ることに嫌な顔一つせず、むしろ太一さんをからかって笑っていた。
……―また、明日になったら。
確かに、勉強はイイコトばかりじゃない。
けど、わずかな想いを拾ってくれた太一さんたちに出会えたことは、とても幸せなことのように感じる。
そんな太一さんを見かけたのは、もう今から4年ほど前になってしまうんだ。
あの時は、店内で温かい湯気に囲まれた太一さんの笑顔が強くこびりついていた。
それだけにしか思っていなかった。
なのに今は、もっといろんな表情を見たいって強く思う。
欲張りになるあたしも、スキになってほしい。
太一さんは優しく受け止めてくれるけど、負担になっていないか……時々不安になる。
駆け巡る思い出にふけっていたら、あっという間に凛子さんがいる白い建物に到着していた。
前に来たのは、ちょうど夏が終わるころで修学旅行前にチラリと顔を出した以来。
旅行から帰ってくるなり、お父さんが大怪我をした。
だからお父さんですら久しぶりだった。
新緑に囲まれていた病院の庭園も、今は茶色い幹の肌がむき出しで、心もとない枯葉は僅かな光を頼りにしているようだ。
うねる道の奥に見える、病院の入り口。
だけど、いつもよりやけに騒がしい。
お父さんと顔を見合わせて、あたしたちはゆっくりそこへ向かった。
「落ち着いてください!」
「いやぁぁあ、なんでェ……明宏さんっ!!」


