フォーチュンクッキー

 新年が明けて三日間は、ほとんど家に缶詰状態。

お父さんも少しは反省したのか、ときどき食器を洗ってくれたりする。


「未来も勉強忙しいしなぁ」

 寒さ厳しい中、お昼ごはんで使った食器を冷たい水の中にしわしわの手で洗い流しながら笑う穏やかお父さん。

その笑顔は、やっぱり大好き。


「うん、ありがとう」

 あたしは、そうやって笑い返すようにしてる。


 喫茶店も三が日を過ぎないと営業を始めないとマスターも言っていた。

今は、己だけが試されているような気分だ。


 ふと気づくのは、あたし自身が太一さんに連絡を取れないこと。

お父さんには携帯電話の番号を教えていたけど、それをあたしが聞いていないってどういうこと?


不安になるけれど、あと一日待てば会える。


そう、信じている。


「そうだ、未来。久しぶりに、凛子さんのところへ行かないか?」


 カチャカチャと食器が擦れる音の中、お父さんの言葉。

ペースが落ちてきたペンの奔りも、ピタリと止まってしまう。


「……え?」

「父さん入院しちゃって、随分会えていないから。未来も会いたいだろう?」


 それはそうだけど……。


 チクチクと、胸の奥を刺激する不安。

いきなりあたしがいって、凛子さんは困らない?