フォーチュンクッキー

「じゃあね、あたし家に帰って勉強しなきゃ!」

 大きく手を振って、お父さんの待つ我が家へと走っていった。



 後姿を見送ってくれていた二人。


「ったく、『嘘』つきやがって」

「巻き込んでごめーん」


 ──あたしは選んであげられなかったけど、きちんと雛太にも幸せになってもらわなきゃね。


「いくらキョンでも、未来のためだからってなぁ……」

「ホントに?……それだけだと思ってる?」

「……は?」


 ──杏ちゃんは、いつだって応援してくれた。


「ヒナは……未来のため、だけ?」

「……キョン……?」



 ──今度はあたしが見守ってあげたいな。


「ねえ、ヒナの中には未来だけしかいないの……?」



 このときの二人の『嘘』には気づけなかった。

だけど、本当に寂しくも嬉しかったんだ。




 少しずつ変わっていくあたしたち。


 戸惑いもあるのだけど、こうしてコドモからオトナになっていくのかな?