フォーチュンクッキー

「そ、そうなんだ?それならそうといってくれればよかったのに……」

 水くさいなぁ、と、今度は杏ちゃんすらもまともに直視できなくなっていた。


 ずっと親友だと思ってた。

だから、どんなことがあっても一番に言ってくれるものだと思っていたから……寂しかったんだ。


 あたしのそんな寂しさにも気づかず、杏ちゃんはきゅっと雛太の腕に絡めた。

「うん、なかなか言えなくてごめんね?」

 覗きこんできた親友に、あたしは「気にしないで」と首を振るしか出来ない。


ここで、それまで見守っていた雛太がとうとう杏ちゃんに向き直る。


「ちょっと、キョン!どういう……」

 照れているのかな?

あたしはそんなふうに楽観視していたのだけど。


雛太を制するように、杏ちゃんはあたしをまっすぐ見つめる。


「だから、未来は太一さんとがんばるんだよ?」


 不安でたまらなかった、太一さんのこと。

杏ちゃんは見透かしていたの?


 気持ちに答えられず傷つけてしまった雛太。

けれど、こうしてまた、幸せになってくれているのなら。


あたしだって、いつまでもウジウジしていられなくなる。


「………うん、そうだね。あたし、がんばる」


 勉強か、恋か。

今のあたしたちには、どっちかなんて選べないから。