フォーチュンクッキー

 クリスマス当日という名のオレの誕生日の翌日は、相変わらず母親は仕事。

学校もないオレは、やっぱり喫茶店に来ていた。


さすがにチビ助はこなかったけど。


「太一、いいの?」


 マスターにまで心配された。

今は恋人でもないし、なんて変にイイワケすると罪悪感に負けるし、なによりも今日ばかりは一緒にいるわけにはいかない。

あいつが待ちに待った家族と過ごす日だ。



 ……―結局のところ。

オレは閑散とする店に夜までバイトをしていた。


今頃、チビ助は笑っているのだろうか……などと考えながら家に帰ったら、ドアノブにはサトが来た跡があった。

中谷家のご馳走のおすそ分けが、スーパーの袋でぶら下がっていたのだ。


ささいな幸せなひと時を頂いてオレは、イエスの誕生日を静かに過ごしていた。



 でも、夢は見た。


 チビ助もおじさんも……サトも、怜も、母さんもなぜか笑っていて。

それをみて、オレはうれしくなったんだ。



 そんな25日を除いた年末の休暇に、チビ助は毎日喫茶店に顔を出しては勉強していった。

おじさんも帰ってきてるのに、家に乗り込んでまで教えてやる度胸はオレにはない。

そして、チビ助自身でも課題を見つけることが出来ていた。



 オレにもやることがある。

チビ助のノートに向かう姿に後押しされるように、仕事を片手に英会話の本を読んでた。