フォーチュンクッキー

 しかし、まあ。

こうして二人でツリーを見上げていられるならば、チビ助の案にのってもいいか。


なんて思っていたとき。


「あ、太一さん」

 チビ助の声に、ドキリとヘンな汗が吹き出てた。


 適当にあしらってしまったのがばれたのだろうか。

だとしたら、次はむくれてしまうにちがいない。


「……な、なに?」

 恐る恐る聞き返す。

冷や汗を背中にカンジながら、白い息がふわりと溶けた瞬間。


 チビ助は、それはうれしそうに笑った。




「お誕生日おめでとうございます」


 へへ、と寒さで赤くなった鼻に似た頬の色。

その言葉の意味を理解するのに時間を要したが、とりあえず口が勝手に開いた。


「あり、がと……」


「えへへ〜、言えてよかったです」


 はにかむ姿に、オレも次第にじわりじわりとこみあげる。


 素直にうれしいものだ。


ゆるみそうな頬をひっぱるのに、オレは終始必死だった。