フォーチュンクッキー

 え?えっ?
もしかしてそんな風に勘違いされてたの!?


 いくら間抜けなあたしでも、さすがにわかる。

太一さんはとっくに気付いていたみたいだけどね。


 顔から火でも出そうになるくらい、赤くなってしまってるにちがいない。

そんな火照りを、冷え冷えとした手のひらで頬を押さえるしかできなかった。


「ったく、なんでこんなところに松永さんがいるんだよ」


 照れもあるのか、ごまかすような太一さん。

あたしには嘆きにも聞こえたんだけど・・・。

目の前のマネージャーさんには質問に聞こえたみたい。


「ああ、あたしは寒さで古傷が痛んでですねぇ……」

「もういいっ!」


 太一さんは必死に遮っていた。

だけど、まるで反応を楽しむようにマネージャーさんはケタケタと肩を揺らして笑っていた。


あたしには到底できないことで、ある種尊敬してしまう。


「それより先輩たちは?病院デート?」

 まだ笑いが納まりきっていない中、満面の笑みで聞かれた。

あたしは慌てて両手をぶんぶん振った。


 だって、もうそんな関係じゃないもん……。


「ま、まさか………っ」

 あたしがいいかけたときだった。


振っていた手首を突然捕まれ、一瞬、なにが起きたかわからなかった。