フォーチュンクッキー

「………は?」

「未来ちゃん、だったよね?いいたいことは言ってやらないとダメよ?父親の自覚って生まれないとわかない人が多いらしいしっ!」


 唖然とした太一さんには見もくれず、あたしの両手をぎゅっと包み込むように握ってきた。

そのキリリとした瞳に、あたしは圧倒されっぱなし。


「………は、はぁ……」

 曖昧に返事をしたけど、その隣で太一さんの深いため息が零れた。


「いやいやいや、松永さん、なんか勘違いしてない?」

 腰に手を当てた太一さんの頬が、すこし赤く見えたのはあたしの錯覚かもしれない。

でも、逆にビックリしていたのはマネージャーさん。


「え?……だって、先輩たちデキちゃっ………」

「まぁーつぅーなぁーがぁーっ!?」

 マネージャーさんの声を上回る大きな声で遮る太一さん。

その一部の言葉は聞き取れた。


 『デキちゃ』……?


「あれ、ちがうんですか?」

 瞼をぱっちりと開いたその表情は、本当に驚いているようだ。


「違いすぎる!」

「あはは、そうですよね〜。でも病院の前で深刻な顔してるカップルなんですもん」


 手を後頭部に当てて照れていたようだったけど、あたしの脳内はそれどころじゃない。


さっきの続きは……。





 デキちゃ……った?