フォーチュンクッキー

「……クリスマスはですね、いつもお父さんは凛子さんのとこにいくんです」


「え?」


 再び訪れた沈黙を、自ら破ってしまった。 


 あたしとしては言い訳のつもりだった。

ましてや受験生のくせに、お父さんと二人でパーティなんてできないもん。


「ほら、凛子さんは病院だし……一人じゃさみしいでしょう?」


 お父さんといるときの凛子さんは、とてもかわいい。

とっても柔らかく笑う、あの凛子さんがあたしはスキなんだ。


「でも……」


 太一さんが言いかけた。

次に繋がる言葉は必然と予想できたから、あたしは遮るように続けた。



「……だから、あたしは雛太の家に混ぜてもらってるんですよ」


 それこそ、今年は雛太や杏ちゃんだって勉強してるにちがいない。

まあ、今年は受験生ってことだけではなくて、雛太のキモチ的にも、呼ばれることはないとは思う。


「ふーん」


 少し納得してもらえたのだろうか。

そっけない返事だったけど、怒ったりからかってこないのでほっと安心した。