フォーチュンクッキー

 他の日だったら、「えーっ!?」と反抗でもしていたんだろう。

けれど、口を開く前に意味を理解する時間がを要して、その先の答えに疑ってしまった。


だって、その日はクリスマスイブなわけで……。





「心して、励めよ?」



 意地悪く言ったつもりなんだろうけど、あたしには絶好のチャンスが舞い降りたのだ。


太一さんと一緒にいるために、なにか理由を探す必要はなかった。




 あたしの……ダイスキな“先生”がいるんだもの。



「も…ももももちろんです!」


 興奮のあまり、両手をぎゅっと握って、張り切って返事をしていた。