フォーチュンクッキー

 商店街の前を通って、その先にあるアジサイに囲まれた広場に連れて行かれた。

そこは杏ちゃんから聞いたことだけど、ただベンチと外灯しかないそこは、日が落ちると恋人たちで溢れているらしい。


「なんであんなこといったのよ」

 全く関係ないことを思い出していたあたしに、先を歩いてたサトさんはくるりと振り向いてきた。

ドキリ、と心臓が反応して、少しずつ昨日の自分の気持ちを解いてた。

「…なんでって、いわれても……」


 みんな、やっぱり太一さんのこと。

考えたくなくても、こうして身に降り掛かるのは何故なのか、あたしにはわからない。


 そのまま口を紡いだあたしに苛立つ様子もなく、サトさんは続けた。

「じゃあさ」

 またもや視線を落としてしまっていたあたしに一歩近づく。

その気配に一瞬恐怖さえ感じた。







「あたしに……太一、ちょうだい?」




 

 心のどこかで感じていた。

彼女もきっと、あたしと同じであること。



「今でも太一が好きなの。
……例え、どこへいってしまっても」

 それはあたしにとって、宣戦布告。

そして、あたしの気持ちを否定されたように聞こえた。


 だから、つい……