フォーチュンクッキー

「アンタ……っ、何言ってるかわかってんのかよ!?」


 耳鳴りみたく、太一さんの声が頭に鳴り響く。

とても落ち着いていて、いつも異常に冷静だった。



「……ああ、もちろん」


「ふざけるな!」


「大真面目だよ」


 声を荒げた雛太を一瞥するように、太一さんは深いため息をついてた。


「オレがいなくなったら、君がつけいる隙は十分ある。
………そう、言ってるだけだ」


 好きな人の言葉は天にも上るほど幸せにもなるけれど、同時に暗い闇のような衝撃が襲うこともあるんだ。



「は?なんでいなく……」

 太一さんは遮るようにもう一度向き直り、いぶかしげにする雛太を見つめていた。


「君だけにかかわらず。
その間に、アイツの隣にいるのがオレ以外の男であっても……」




 でもその視線は、雛太じゃなくてうしろにいる……


あたしにむけたものだったんじゃないかと思う。