フォーチュンクッキー

 声にならない声が、喉を掠めたとき。


「関係ある!
…今だって、未来が好きなんだから!」


 雛太、もうやめて。


耳を塞ぎたいのに、体が金縛りにあったかのように固まってしまっていた。


 視界には、顔だけを雛太にむけた太一さんの瞳が見えた気がした。

それが少し冷たく感じて、なんだか怖かった。


「ふーん……」

 余裕たっぷりに呟いた太一さんに、雛太はバンッ!と大きな音をたてて机を叩いていた。


「……そんなやつに、未来は渡さない!」


 早くドアを開けて、この話を終わらせなきゃ。


そう思うのに、体は言う通りに動いてくれない。



 その先は聞きたくない。

頭のどこかで警報みたく、痛みが襲う。





「………そう。頑張れよ」




 太一さんはまるで他人事のように、口にしたんだ。


 きっと雛太も息を呑んだのだろう。

呼吸すらもわからなくなりそうな、あたしだから。