「未来ーっ、同じクラスだったよ!」

「杏ちゃん、本当!?」


 幼馴染の杏(キョウ)ちゃんはあたしの大親友。

ポニーテールのよく似合うテニス部の長だ。


「キョン、うるさい」

 杏ちゃんがくると、決まって一緒にやってくるのがこの男。


「ヒナぁ~!?」

 もう一人の幼馴染、雛太(ヒナタ)。



 あたしはこの二人といつも一緒。

 雛太は杏ちゃんのポニーテールをくいっと引っ張れば、杏ちゃんは背が伸び始めた雛太の頭をジャンプして叩いてた。


 さすがテニス部!


「雛太も一緒?」


 あたしが仲裁するかのように二人に笑いかけた。

すると、二人は一緒にニッと笑って声をそろえた。


「もちろんっ!」



 始業式が終わると教室に戻り、ホームルームが始まった。

うれしいことに、担任は三年間一緒のようだ。


「進級おめでとう!
君たちは今年から本格的に受験が始まるんだから、うかうかしないようにっ」


 笑顔の優しいメガネの担任・福原先生はあたしの事情をよく知っている。


少しほっとした。