白いカーテンも閉めずに、頭を下げていた。

そんなオレの行動に、慌てたおじさんは声をかけてきた。


「た、太一くん!?…ど、どうしたんだい、学校は……」


 やっぱそうなるよな。

前もって準備しておいた嘘。


「文化祭の準備が始ったんで、最近早く終わるんですよ」


 ごく自然にさらりといってのける。

隣のチビ助は今にも「え?」といってしまいそうだったので、目配せをして頭を撫でた。

すると、ポッと頬ピンクに染まったので、意図は通じたようだった。


「体のほうはいかがですか?」

 ようやく回りの様子に気づいて、カーテンを閉めてベッドの隣に回りこむ。

そんなオレに、おじさんは少しはにかんで状態を教えてくれた。


 来週には手術、それからリハビリが始まる。

腕と足の二箇所だったから、すこし時間がかかるらしく退院は年末頃になってしまうそうだ。


 聞いていて、なんだか二の腕と太ももが痛かった。

さすっているとおじさんも苦笑いしていた。



そして、オレはどうしても聞いておきたかったことがあった。


「未来ちゃんはしょっちゅう病院を行き来することになるんですよね?」