カラカラと音を立てて病室に戻ると、一斉に視線を浴びた。 さっきのこともあってお父さんに会うのは恥ずかしいけど…。 太一さんが一緒にいてくれたからがんばろうって思えた。 「未来、おかえ…り?」 ベッドから横たわったまま、お父さんの顔は固まった。 「こんにちは」 背筋をぴしっと正した太一さんが、そのまま腰を折り曲げた。 あたしの心臓は、痛いほどドキドキしてた。