そのままカウンターに座る二人に、オレは黙ってコーヒーメーカーに視線を落とした。


「アメリカンでいいんですか?」

 背中越しに聞くと「よろしく」と優しく答えが返ってきた。

チビ助は問答無用でカフェオレだ。


 すぐ淹れて差し出すと、オレは一つだけため息をついた。


気づかなかったオレもオレだけど、まさかこの二人が親子だったなんて。


 ストローに吸い付く彼女は、なんだかこの前みたよりもほんの少しだけ違う風に見えた。


 制服のせいか。


彼女の格好をみて納得した瞬間、オレに疑問がまたもや再浮上。




 制服─────?


ここの店に通っているため、すれ違ったりして見かけていたから知っている。


チビ助が身に着けているのは、このあたりの中学校の制服。



「……チビ助」

 オレの声に彼女はぱっと顔を上げる。


目が合うと戸惑いながら少し視線をずらした後、上目遣いで見てきた。


「…はい…?」



 だって、ちっちゃいし。

イマドキはメイクなんかもバリバリしちゃってるだろう?


髪とかも染めちゃって、校則無視してナンボみたいな。