フォーチュンクッキー

「あたしは、ただの生徒なんでしょう!?」


 泣き叫ぶような、初めて聞く強い口調にオレは言葉が出なくて。

すでにその頬ははらはらと、涙が滴っている。


 拭ってやりたいのに、触れてやることすらできないように感じていた。


ようやくチビ助の言葉に、昨日の雛太くんとのやり取りだって事に気づく。



 ホント、わかってないヤツだよ。


 ため息を一つついた。

それに反応するかのように、チビ助はまたグシっと鼻を鳴らして、涙を増加させる。



「も、もう…好きなんかじゃないもんっ」


 クルリと背を向けて言い捨てる。

だけどオレはチビ助のこの言葉に、カチンと頭にきた。




 スキじゃない?

ふざけんなよ、勝手にここまで巻き込んでおいて。


 強引にその肩を掴んでオレの真正面に向かせる。

ばたばたもがこうとするけど、オトコの力なんかに勝てるわけない。


「太一さん、やめてよっ!」


「やめない!」


 もう一度ぎゅっと抱きしめた。

離れられないようにさっきより強く腕に力を込めて。