フォーチュンクッキー

 サンドウィッチやおにぎりをはじめとした、お弁当の定番メニュー。

暑さでバテやすいから、比較的野菜が多めに感じられる。

「うめぇ!」

「サト先輩、おいしいです!」

 そんな言葉が飛び交っている。


 満足げなサトは飾りにも似た小さなプチトマトを口に運んでいた。
 いまだちょこんと座りっぱなしのチビ助。

 その反応はいた仕方ないのかもしれない。


「はい、どうぞ」

 そういって簡単に装った紙皿をチビ助に渡したのはサト。


「あ…ありがとうございます…」

 消え入りそうな声でようやく口につけるのを見て、オレはようやく一安心した。


 食事を一通り終えると、予想通り。


「太一!」

 怜に呼ばれると同時に、ボールが投げられた。


「いや、もう、ホント無理だから…」


 オレが断ることを分っていたのだろうか、怜はちょこんとオレの隣に座るチビ助に笑いかける。


「じゃあ、未来ちゃん一緒にやらない?」


「ええっ!?」

「ちょっと、怜…っ」


 言ってから気づいた。

同時にうろたえるちび助とオレ。