あたしは一瞬で瞳を奪われた。 なにがそうさせたのか、わからないけれど。 自分に向けられたものでないことは、十分知っている。 ただ、その寒さや緊張も、すべてを包んでくれたような…… エプロン姿で、カウンターの向こうにいる『彼』の笑顔。 それは、ずっと忘れられないものになっていた。 .