だけど予想に反して、雛太は黙って喫茶店を飛び出てしまった。
シンと静まり返ってしまった店内をどうにか繕いたくて、無意味に笑ってた。
「ど、どうしちゃったんですかねっ!もう、雛太ってばぁ…」
言葉にするたびに頬が引きつるのを隠したくて、あたしはノートに視線を落とす。
自分で思っていたより手が震えてて、包み込むようにぎゅっともう肩のほうの手で包むように握るしかできなかった。
いつの間にか隣にやってきた怜さんは「出直すわ」と小さな声で伝えると、店の外に出ていってしまった。
太一さんと二人きりになってしまった緊張感。
どうにか堪えていた涙腺がまた震えだすようだった。
「未来」
いつもは『ちび助』って呼ぶのに、どうして今は名前で呼ぶの?
…名前でなんか呼ばないで。
本当に、なっちゃうよ。
声にならない声があたしのからだを埋め尽くす。
どんなことがあっても、背伸びしたってでも、隣にいたい。
そういったのは紛れもないあたし。
だけど、本当は。
それすら受け止めきれないただのコドモなんだ。
シンと静まり返ってしまった店内をどうにか繕いたくて、無意味に笑ってた。
「ど、どうしちゃったんですかねっ!もう、雛太ってばぁ…」
言葉にするたびに頬が引きつるのを隠したくて、あたしはノートに視線を落とす。
自分で思っていたより手が震えてて、包み込むようにぎゅっともう肩のほうの手で包むように握るしかできなかった。
いつの間にか隣にやってきた怜さんは「出直すわ」と小さな声で伝えると、店の外に出ていってしまった。
太一さんと二人きりになってしまった緊張感。
どうにか堪えていた涙腺がまた震えだすようだった。
「未来」
いつもは『ちび助』って呼ぶのに、どうして今は名前で呼ぶの?
…名前でなんか呼ばないで。
本当に、なっちゃうよ。
声にならない声があたしのからだを埋め尽くす。
どんなことがあっても、背伸びしたってでも、隣にいたい。
そういったのは紛れもないあたし。
だけど、本当は。
それすら受け止めきれないただのコドモなんだ。


