フォーチュンクッキー

「未来ちゃんって、うちの高校受けるの?」

「えっ、あ、はい…その予定です」


 急に話しかけられて驚いたあたしは、咄嗟に答えた。

志望校だけど、受験するかどうかは今のアタシにはまた別問題だと思う。


「オレたちは今年卒業だから、一緒に制服きることはできないけどさ」


 まもなく見えてきたアーケードの最終地点。

そこから5分くらいで太一さんがいる喫茶店に到着する。


 くるりと半歩先を歩いていた怜さんが振り返った。


「いけるといいね!」


 太陽の光があたしたちをまた焦がそうと降り注ぐ中、負けないくらいの明るい笑顔だ。


 たくさんの勇気をもらえた気がして、あたしは大きく頷いた。


「はい!」





 商店街を出て、再び痛いほどの日差しを体中に受ける。

誰かと向かうこの道のりは、いつもより断然早いように感じる。


 太一さんの大切なお友達と過ごすこの時間は、あたしの知らない彼をぐっと近づけてくれる。


 手先は器用なのに、どうも字が崩れるところ。

 不登校だったのに、変にマジメなところ。


 あたしも少しだけ分るような気がして、笑い声が絶えなかった。