「未来、わかってるの!?」


 すでに違うことを考えていたから、杏ちゃんの声に肩を震わせるほど驚いてしまった。


 どうして杏ちゃんがこんなに必死なのかは分らない。

多分、あたしのことを心配してくれてるんだとは思うんだけど。


「まあ、ヒナってまあまあカワイイ顔してるしね~」


 あたしの作ったクッキーを頬張りながら、何かを確認するかのように頷いていた。


 心配、してるのかな……?

少しだけ不安になってくる。


 そんなあたしに追い討ちを立てるように杏ちゃんは、両手を当てた頬をピンクに染めた。


「カッコイイ太一さんにカワイイ系のヒナの間で揺れ動くオトメ心!
んも~、す・て・き~!」


 …どこか嬉しそうなのは、気のせいじゃないかも。


浮き足立つ親友を見て、一つため息をついて肩を落とした。



 そうなんだ、雛太にスキっていわれちゃったんだ。


 今のあたしにはわかる。

 その『スキ』の意味。



「で、どうするの?」

 さっきの興奮はドコへやら、杏ちゃんはもうひとつクッキーに手を伸ばしていた。


「どうするって…」

「ヒナのこと、どう思ってるの?」