太一さんの試合を見てから2週間が経った今日は、運命の期末テストの日。

中間テストはどうにかがんばれたものの、いつまでたっても自信なんかつきやしない。

高校受験の日、あたしは一体どうなってるのか、考えるだけでも身震いしそうだ。


 校門を通り抜けて、待ち構えている先生に挨拶をする。

みんな試験日ということで、せわしなく昇降口に向かっている。


 受験生だって言うのに、あたしと杏ちゃんは今更どうにもならないことが分かってて、どうにか緊張しすぎないようにおしゃべりに夢中になっていた。


「でもこれが終われば夏休みだね!」

 目いっぱいの笑顔の杏ちゃんに、首を縦に振ってあたしも返した。


「うん!夏祭りもあるもんね!」

 二人でこれからの予定を語り合ってるだけで楽しい。



 日に日に近づくあたしたち人生の第一関門ともいえる、高校受験。

確かに不安で仕方ないけれど、それ一色にはなりたくない。


 勉強も、恋も。

できればよくばりたい。



「そういえば、あれからどう?」

「…どうって?」


 ローファーから上履きに履き替えていて、周りではスノコがカコンとたくさん鳴り響いていた。


「太一さんと!!」

 身を乗り出すように近づく杏ちゃんの肩をやんわり押し返す。