「それに、未来ちゃんだってもう中三だよ。太一がサトのこと好きだったときと一緒じゃねーか?」


 言っていることは分かる。


 密かに募らせた恋は、確かに本物だった。

愛なんて簡単にいえないけれど。


でも、本当の気持ちだった。


 高校生なんて、思っているより子供じゃないけれど、大人でもない。


「たった3つの年の差がなんだよ。一回り以上離れた夫婦だっている世の中なんだ」

 追い討ちをかけるような怜の言葉に、また心臓が動き始めた。


 まだ頭のどこかで納得してなんかない。

だけど、ここらで自分と向き合っておかないと。


 これ以上、前に進めない気がしたんだ。


 ガバっと身を起こして入り口まで駆け出した。


「太一っ」


 怜の声に振り返ると、バサリという音と共にいきなり視界が真っ暗闇に覆われた。

顔にかかったものを引っぺがすと、先ほどまで身に着けていた怜のジャージ。


 椅子の上には4とかかれたユニフォーム姿の怜。




「…がんばれよ」