青い空の下、グランドを見つめながら柵に両肘をついて待つ。

怜が話始めるのを……。



 朝、昇降口で引っ張られるように連れてこられた屋上。


本当は専用の鍵が必要なんだけど、ずいぶん古くて何年か前の生徒がぶっ壊したそうだ。

もちろん、これは代々生徒間に伝わる暗黙の了解。



 さらさらと爽やかな風がオレたちを縫うように吹く。

体重をかけていた腕に顎をのせたときだ。


「……太一」

 ようやく怜が口を開いた。

 ちらりと視線を向けると、すこしだけ柵を握る怜の手が震えてた。


 力のあまりか、それとも…。


 こんな様子を見たことがないから変に緊張してしまう。

口の動きを読むようにじっと見つめていた。


 だけどふっと怜の口許が緩んで、身構えてたオレは一気に肩の力が抜けた。


「あのなぁ…っ」


「オレ、サトと別れるわ」