どうしよう。こういう時に限ってスマホの充電がない。一瞬見えた時間は6時過ぎ。お腹も空いてきた。あーあ明日までここにいないとなのかな・・・。さすがにしんどい。諦めている時、声をかけられた。
「ねぇ、春衣 菜野花!」
後ろを向くと女の子の姿が見える。外が暗くなってきてはっきりと顔が見えない。それに、相手から来られると何が起こるのか分からなくて怖い。まずは情報を貰っておこう。と、思ったんだけど女の子の後ろにガタイのいい男の子が立っている。まさか、私を排除するつもり?
「どうしてこんな事を?教えて。」
「分からないとは言わせない。」
まぁ、何となく分かるよ。紅羽君を嫌いな女子はいないだろうね。私が紅羽君と話しているからイライラしてるんでしょ?だからってこんなのよくないと思う。
「分からないって言ったら?」
「貴方を許さない。」
「なんで?」
「紅羽君が好きな女子はみんな見守っているのよ!なのに1人だけずるいわ!」
やっぱりそうなるよね。だからって、イジメをしていい理由にはならない。
「だ・か・ら♡」
急に語尾に♡がついて鳥肌がたつ。気持ち悪い。彼女の後ろにいる男性が近ずいてくる。危機を感じて後ろに下がるが、この狭い体育倉庫ではすぐに壁に背中がついてしまった。ヤバい。完全にピンチ!どうしよう!!!
「貴方のことを痛めつけることしか出来ないの。」
本っ当にどうかしてる。あーあ、もうダメなんだ。男性はためらうことなく、私に殴りかかってきた。でも、その拳は当たらなかった。男性が拳をあげた瞬間に扉が空いて誰かがそれを止めた。嘘でしょ?空いた扉から出る光に写ったのは、紅羽君だった。
「紅羽君!?」
